1982-10-25 十月 月々の句 幕合いに呼ぶ人の名を思いやり 落語家の江戸の名残りを抱いている たたかいのもう来ない日を眠るなり 残りものやや衰えを見ているか 尾羽打ち枯れしおもいのもたれよう にせものとほど遠し小さく生ま身 古池に帰郷ここらで月映す 小書斎の扁額ややに広がる 老いの稼ぎ雨が静かに降るまた降る 物音に朝の寝覚めを合わせゆく