1982-09-25 九月 月々の句 にせものとほど遠く小さくもなま身 逆縁の土を濡らしに雨本気 夜盗挙げて昼寝重たく闇が甘い 虫の音の休らいながら問いもする 遠い過去がまっすぐに来て手を握り ふらふらと寝にゆくほんとうの足だ 長い鉛筆がころがっていて枕する 音をひそめ虫は痛みがわかるほど 継ぐべきもののために骨もかろきや 悪が投げてくる身をかわす修羅場