1982-08-25 八月 月々の句 机辺拭くわが名小さくつぶやく さはあれど避暑地にのがれ襟を正し 物憂くも古き語りのもたれ合い 凍傷の山の記憶の深く重く 冷静を整う月がのっと出た ハタタコに洗われし身ののがれ得ず 差し換えの活字が思い鞭となる さらでだに深き痛みを問い返し あやまちを拭う手際の負い目とし 王道のかくもきらめき目を閉じる