七月

   玩具のピストル自分のために購う


   時効の手筈に動き出す蝸牛


   鉛筆が削られてゆく貧乏ゆすり


   人生の裏がそうさせ血糊ふく


   重からぬつづらを撫ぜて落ち付くよ


   署名簿に甲斐止めたく吹き溜まり


   縄ばしごするする消えるまでの問い


   悟りとは遠きや暮らし前にする


   やがて立つべき渕なるに今日を持ち