六月

   ひとりして小声おのれにほかならず


   軒下の陰にこもりしもののかず


   束の間ののがすに馴れし身の覚え


   濡れ燕あるま【ま】ながら運不運


   折返す近道ここの雨に打たれ


   でかめろんバラ色のなかすでに枯れ


   男果つ腹巻きはまだものを言う


   看取る手の互いにいつかゆれうごき


   いかにおわす休らう翼なまぬるし


   生欠伸晩節こなす顔いっぱい