五月

   酔いのうたた寝宥されし足の裏


   かばう瞳と合う気を叱りもとのまま


   落ち椿何やら老いにからまって


   枯れすすきやがて落ち着くものならば


   どんな言葉を拾い出す老眼鏡


   紛争へ近所の隠居説を為す


   垂れ幕のシーン自存を盾とする


   行革の思案にあまる向こう側


   友の喪のここは安曇野ひれ伏すか


   骨壷を抱く友の子はまたわが子