三月

   入歯はずすその底にある夜を持つ


   真直ぐに落ちてく闇のぬくもり


   満ちて砕けることわりの安けさよ


   物の怪のにくくもしるき鬨の声


   談合と馴れ合いの字がお辞儀する


   こと金に及んでからむ身の証し


   表には出ぬやりくりのたかが知れ


   申告期トントン拍子相手待ち


   ややかたち成すいきさつのお見通し


   よごれなき金までつらく目をこすり