二月

   破れ太鼓捨てぬ世間につかまるか


   年染みて狸おもたく月さがす


   束の間の想いも知れたほどのけり


   指折って叱り手ほしき受け身なり


   のめのめと片膝だけの軽き痴話


   旅がらす律儀風情の夢さます


   分別をどこへおとした枯尾花


   ねたましく表紙の女ひとくさり


   ごしごしと鬼の涙のあとやさき


   表現の自由あしたはどう燃える