一月

   裸木の膚にわたしを縋らせる


   取り乱すはしたなき際写しすぎ


   さだめ持つことわりいつかふれていて


   一病息災の友の便りの波がしら


   長らえば妻の寝息を聞きとって


   しかすがに老いに語らい夜を早め


   またよしとするはからいを享け合うよ


   身の塵をはらう静かなゆくえなり


   飾らない夢で終って自分らし


   枯木立黙っていっそ語りかけ