八月

   過去だけの思いに流し安んじる


   生きている証し澱みのその隅に


   むらさきのいろ遠のいてゆく灯り


   あとやさきうすくれないを描かしめ


   拭うべき恥ことさらの顔ならで


   わやわやと遠い親戚宿とって


   こと金が語る仕組みに乗ぜられ


   さて静かな道と気がつく肩を寄せ


   たあいなく近い他人と気を廻し


   それだけの生きかたもろもろの仕止め