七月

   碁敵の合羽風情のおなぐさみ


   吊り下がる紐病み呆けし目を攫う


   そのうえの狂気の沙汰のくびれ乳


   消え残る蛍火だけに克てない喪


   みみっちい堅気に懲りた上り口


   寄せつけぬ嫌味たっぷり雷鳴す


   可笑しくて駄洒落もふまず締めくくり


   ダメ押しを逸らす藪蚊が飛んでいて


   はたと膝打つこの間抜けさが先手


   しつっこく義理立ての目が這う真昼