五月

   世間体だけにかまけるひとくさり


   胸のイニシヤル鮮かな負けっぷり


   安請合い自画像がしきりに目配せ


   釣銭のいつか濡れててふたつみつ


   暗すぎる世間をたたむ朝の慣れ


   苦しい大人がわかるマンガ本の続き


   いずれそうなる姿なり見たほどに


   無駄なお節介おとなしいブルドッグ


   もろもろのからだ休らう無理からず


   そんな風景に手間取り焦げた肴