三月

   老いの美しさをいう毀れよう


   わかったことはそれなりに待つこころ


   よくものが見える果てとも思い知り


   順々に去るこそばゆい世のうねり


   執着のそんな気取りが先に立ち


   老夫婦押し押しもなく暮れなずみ


   ほんとうのあるべき姿まで歩く


   しのび寄るなにかを覚え落ちもして


   生きた風景にまぎれいてゆれうごき


   いさぎよし胸に描かせはぐれ鳥