十二月

   逢えばまた逢いたいそこまでの別れ


   友の訃の先立つ旅に遅れしか


   ふと目覚め今日も仕事が貰えたぞ


   ぬるま湯に漬かりよしなきことぞかし


   聞き過ごしならで言葉にくるまるよ


   いさぎよくものみな枯れし疑わず


   まだそんな気でいるのかとつと笑う


   年の瀬へ熱ある孫をのぞく齢


   廻り道気がつくそれも馴れしとか


   糟糠の妻と長ろう日はたしか