1980-11-25 十一月 月々の句 おのが身に尽くす日のあり老夫婦 こそばゆく何やらひとりだけのみち 身に蔭るなくさらさらと通り雨 手短かに話す風景もそのなかに 貰われてゆく菊の香のあたりよさ うらばなし生きて見つけた曲がり角 間を持たせながら去る身と気付かせる 天命を口にしてやや不遜なり 生きて詠うこの長々とした五体 戻れない旅のすがたを思いやり