十月

   年ゆえの机辺の塵を拭き残し


   居ずまいを正しながらのわが負い目


   分別のかくも幼き顔返す


   さだめとはうすよごれして暮れかかり


   ただならぬ出会いいじらし目を向けて


   人の世話こまめに道が出来てゆく


   そう言われぐるり取り巻く山の顔


   町づくり手作り雨はふと止んで


   一介のあきんどなれど句を明かし


   急がない旅のここらの握り飯