八月

   無にそそぐ水音はあり身を置いて


   あらわれるだけさわやかな気を持たせ


   色は濃くならず身の上きずかせる


   そのひとになりきる一徹さが湧かず


   長らえてひとつの仕事ふた仕事


   身に覚えなけれど相手あることで


   気遣ってくれる一本句を添えて


   拭き終らないこのからだ明日がある


   連れ立っていっそ別れを思いやり