三月

   世を憂いながらたしかに脱糞す


   陣笠を冠るどうやらなりきって


   頼られる齢のへだたり思いやる


   自分らし道に気付いておそからず


   指導する道草食ってあらたまり


   町をよくする年嵩となる始末


   生き残る稼ぎの話して他人


   いまはただ妻の寝息と共にある


   見返していつかおごりを想わしめ


   老病死人はそれぞれ名を持って