一月

   いつからか老いの判断ともなって


   身に覚えある証しなりちさくとも


   取り込みをぬけ出してくる思いよう


   あとやさき知る身のいまを振舞って


   冬へ咲く花のこころに近付かせ


   遠い想いが何故かそばにいてくれる


   終わる道からそれた小さなこみち


   見えぬ手の這い出してまだあたたかし


   冬に栖みつくふるさとにまだ抱かれ


   望み持たすほのかな夢のうすあかり