十二月

   重荷ともならずまっすぐみちをきめ


   生き終えるまで地獄の図地獄の詩


   おわらせてゆくなるそこでうなずくや


   夢醒めて雪景色いまたしかなり


   仕舞い風呂流れ星みたことにする



       三島にて

   冨士見たり何か遅れて来た道で


   不意にあらわれたり冨士の真正直


   あきらかに冨士へもたれている煙


   冨士が遠くなりやがて取り直し


       久闊

   会えばたのしや幼き日すぐそこに