十一月

      十月二十八日 木曽御岳異変

   現象に黙す一服の地の唸り


   天と地の声とも思う火を噴かせ


   眠りから覚めしたたかにしたたかに噴く


   にごりゆく世に噴く怒りとも念じ


   灰は上空を圧しなお炊ぐ村




   わいせつと猥褻の差の純度感


   美の極地絶頂にいて撮り直し


   塗りつぶす手管メリハリ利いてくる


   芸術か陳列か眸は夢ごこち


   刑法の硬さ通念との耳打ち