1979-09-01 九月 月々の句 友情はいまほどほどに識りながら 夢しぼむ涙は頬を濡らすとか 年波にふれる愛想がほんとらし 湧きあがる雲の素直さとは違い 悪玉に吹くしたたかな風となれ 時熟す晴れの舞台の挫折感 冷静をよそおいながら堕ちるだけ ねんごろにひと粒の声聞いてやる わが果てを覚えながらの山つづき 身をかわす老いの一徹追い抜かれ