八月

   投げかける思わせ振りの眸を払い


   人生のかげりかに触れはしたなく


   顕われる道なりやがて歩まねば


   やがて佇つこのことがある胸さわぎ


   身のほどを知るささやかなうなずきよ


   こだわっているのを叱る横坐り


   ふしぶしにどうにか越える気を持たせ


   冠り直す面はさがさぬずしりと重し


   ひとり静かな涙とも老いに尽き


   突き当たるまでの想いをわびしがり