四月

   どこを押しても出ぬ智恵で相手欲し


   後味のよさに浮かばれてくわが身


   ここにして乱れる老いを叱りながら


   胸底のかく惧れあり寝に入るか


   涙そこに置く人知れぬこそよけれ


   静かな日やがて伝わるわがこころ


   ふと覚えあれば枕に乗せたケリ


   残飯にありつくほどのそんな運


   物怖もないご返盃を片付け


   いじらしく女に励む横っ面