十一月

   ほんとうの姿だと知る短かり


   出直しのおくれに失す飾らない


   目立たないありよう意識して座る


   うたがいを知らぬその目を負うて来た


   とどめゆく果てあり仮りの身と思い


   望まれたその日だったと通り過ぎ


   順応に向けておちつく自分なら


   生き生きと物のためしをくりかえし


   手のうちをいつか見分けてうながされ


   安楽死まだ間があると議論せず