九月

   追っかけてゆくひと秋を知らないな


   いつか見た夢遠いとも近いとも


   あたたかい気持ちいのちを抱いたのだ


   儲かったとは銭かねのこと避けて


   おのろけになって静かに垂れる幕


   右を見てうるさい顔が左にも


   何故かうたいたくてははっきりする自分


   ちょっぴり涙もろく気強いあご


   だって惚れた弱身の筋書通り


   ドン詰まり山が見えてくるほんとうに