七月

   試験管いのちの神秘寄る辺あれ


   避暑に来てあつかましくも世を嘆く


   大物の名に草臥れて夏の暑さ


   沈むもの沈めてひとり語るのみ


   頑なの解けぬ愚かさ目の前に


   消えてゆく人ありやがておちつくか


   言い分を聞くともなしによりかかり


   仕合せとあとから気付く日の甘き


   嬉しい話は短かくキチンとはまる


   ふと足とめていて安けさが自分にも