1978-05-01 五月 月々の句 いみじくも解き得て齢を気付かせる しくじりの老いにかぶせてさびしがり いたわりに甘え逃げようとする育ち そこまでは気のつかぬ振りからかわれ 忘れてはいない顔して出会うなり こだわりの消えない人と笑い合う 冴えぬ日の机の上を拭き終り まっすぐな道だと思うひとりの死 わが夫婦誰はばからぬ生きの間の ならわしのゆくてをふまえわが夫婦