十一月

   身に覚えなきいたずらな鞭を見せ


   曲りなりに静かな水と合わせたり


   たたかいの向こうの虹も画きいし


   おおよそを掴み笑いにまぎらわす


   ものごとの一心に触れひとりぼち


   ひとつの陶器のたたずまい許すなり


   なにもかも自然に帰りたがりだしか


   もろき世の聞きしにまさる業という


   何故かひとごととするいまいまし


     ある老女の受賞に乞われ

   喜びに白髪の艶のたのもしや