七月

   つとめて慎しみの底にいる弱気


   夏草の勁き願いをみなぎらせ


   このひと握りの嘆きを打ち払い


   求めゆく道なり老いの醜くとも


   齢のすがたのおかしくもなだめたり


   夢を見違えしと生まの身をゆだね


   気にしない素振りできょうの敵に遭い


   黙秘権過去への鞭を耳にするか


   甘栗の淡き思いを泳ぎながら


   ひとくさり男っ気残したがって