五月

   ゆれ動くほどのしじまに身を置いて


   いつとなく去る身のあかし口にせず


   あきらかに負けた顔して水をひねり


   つながらぬ至らなさいま生まの身に


   確執にまぎれるひとりだけのこと


   伯仲下悲憤昂奮して読めず


   すれずれに暗中模索声を呑み


   予想図へ逆転の目が熱くなる


   相討ちのなかに求める点を指し


   伯仲におちつきのない座りだこ