1977-03-25 三月 月々の句 ためらいの言葉をえらぶ 雲が流れ 妻の寝息のいみじくもわれに触れ 一休みやがてなすべき避けもせで とぼとぼと軽き荷を負う坂なりしや 気乗りせぬ夢も やわやわ引っかかり 晩酌のひとりまぎれてかかる奢り 酔いのおかしき人の世と思いしに 一碗の酬いのごとし灯のもとに 草餅の歯応え 知った人の訃よ 身のほどを知るばかりなる雪降り来