1977-02-25 二月 月々の句 人生かす言葉ひとつの巧まずに のろけともならずに老いのさびしまれ 音もなく降る雪にこそ気を持たせ 黙ってついて来た影いつもお前 とらえたる音いみじくも身にあまり 短かき日誰にむかしを語らばや 真相を聞かせた盃の重み 目が覚めている時の間を抱いてやり うなずいてやるそこに暮らしのぞかせ 見直しも遅きや老いをあたためて