一月

   知るもののために雪降る 膝置いて


   向こうから来ることなりし慇懃に


   苦き酒なれや乱れのあらじとも


   みにくさを掩う手だての重ねられ


   心おきなく顔洗う並び合い


   齢のわびしさがほんとうらしく寝る


   考えのかくも拙なく落ちて来て


   ひとり目立たぬ世過ぎしていたわれら


   酔いにもたれてわが弱さ隠れしと


   うなずいて見せ さらりっと降りてくる 雪