1976-10-25 十月 月々の句 おびえてはいない眸として克ちたがる 身に覚えある風景でまとまるか かばいゆく身のほどなれや落葉道 もろく敗れし時の間を稼ぐという 誰に明かそうとするひとり寝に縋り その想いの頂きに佇つ安らぎか 高官の疑わしきは秋に堕とし 灰色の名の冠がはまる首 物狂う世に黒きを増し鴉たち 衝てという声のまっすぐなるつぶて