1976-09-25 九月 月々の句 たかが孫の絵に支えられ倚らしめる すがるものあるかたかだかと秋が来た 論評とのへだたりにいて爪立たせ 鳥音に目を覚まそうとする小さな安堵 はじらいのかなしくも身をかばってた 首筋のこのいじらしく振り向かれ 足音もひそか寝にゆくここの果て 昔よみがえるばかりいま物を忘れ 何か声のすがしさを待つ老いのいとま 行き着いたあたりひっそりと生きている