八月

   自らを恃まんとする身の証し


   接点をぼかして敗けを背負いながら


   圧政のなかで生まれた血の騒ぎ


   人のうめきひたすらにきくひとりとし


   すがるものへの祈りただ遠巻きに


   終ったあとのさわやかさそれで足り


   汚れ金口拭き合える身の飾り


   外国へ邦を見にゆき金いくばく


   暗き世のしばし保革の鬨の声


   下積みの民のこころの潮騒