1976-06-25 六月 月々の句 横たわり仮りの姿に思い過ぎ 老いを知るというたしかな口惜しさ 生き儲けの顔ながら月を見ていて 首なし地蔵遠き想いは同じとか すげ替えの地蔵の首は少しかしげ つつしみに耐えるうなじはほんとだな 早き目覚めのおかしさに支えられ もろもろの夢淡き忘れてよしや ひとの生きかたにふれ合えて酔いを覚まし 好意を返してくれる間のよさにもたれ