三月

   専らの噂他人として去るか


   伸びる芽は小さく素直にうたをうたう


   人格の渋さのなかの色好み


   敵陣の耳を休める笛にたとえ


   結び目に高官名が仮眠する


   ほんとうの寝言けろりっと覚める


   譲れない考えいまゆるやかな曲だ


   風向きが変わり男を叱咤する


      喪を持つひとへ

   日本一の母想い出のなかに消え


   骨太の肩の記憶を大事がり