一月

   思いきり降るゆき君も見ているね


   ひたすらな雪か野暮用もうひとつ


   稼ぐ身の真面目な雪に振る舞われ


   涙ぐむ雪はそのとき消えしとか


   許す気のむかしむかしの雪が降り


   悠々とゆき降るここに訃のありか


   罪深く雪は次第に落ちて来た


   すすり泣く雪はさやけさ降りとどけ


   ずしりと重い千両箱 ゆきがちらちら


   時効を前に雪ほんとうらしく降れ