十二月

   身勝手に田舎そのまま求められ


   のがれ来て過疎をば許し戻りゆく


   一日滞在食べて眺めて賞めて去り


   ふるさとの旧さを強いるほどの智恵


   暮らしまで触れてこすって夙と帰り


   もてなしの田舎料理で稼ぐ身の


   自然とふれ合い暮らし底にしずみ


   さして身飾るでもなくふるきを験し


   ふるさとを抱かせる側として凝視め


   生活向上をもとめ田舎っぽく生きる