1975-10-25 十月 月々の句 悪びれず膝に重ねた掌が語り ここからも見える灯りは小さくとも 悔やまれてならぬ身なれば横たわり うたてしや心の重荷かぞえゆく 寝に返るそのままの果て思い過ぎ 何をからめてうとましくつぶやくか どっちみち裏目を知ってから正し 聞き馴れぬ話ではなく道草に 潔癖の黒きバッグのいと軽く 心根をあわよくばいまのぞかせる