十月

   悪びれず膝に重ねた掌が語り


   ここからも見える灯りは小さくとも


   悔やまれてならぬ身なれば横たわり


   うたてしや心の重荷かぞえゆく


   寝に返るそのままの果て思い過ぎ


   何をからめてうとましくつぶやくか


   どっちみち裏目を知ってから正し


   聞き馴れぬ話ではなく道草に


   潔癖の黒きバッグのいと軽く


   心根をあわよくばいまのぞかせる