八月

   ぬるま湯につかり味方はそっちでもない


   風向きが変り男を叱咤する


   しかすがに老いの一徹いぶるなり


   誰よりも知っている筈低く低く


   念を押す小さな貸しと見て戻り


   満を持しから紅の血ののりよ


   図に乗って首重たげな遁辞とし


   向うから負けてやったというけじめ


   うなだれる向日葵みんなにも落暉


   馴らされた顔もてしもべらの祈り