六月

   手のうらをかえすわざなく戻りくる


   曝し出したくて気のよさを見て貰い


   下手な生きかただと思うゆるい坂


   すごすごと寝にかえる身のゆくりなく


   押し返すことも知らずや流るるまま


   夢は小さくなれどまた峠を数え


   ここにいまべったりとする気をはかり


   つたなくて生きる証しというを嘗め


   寝返りを打つ夫婦なりたしかなれ


   足りなくてそがまことめく身の想い