1975-05-25 五月 月々の句 眼の前にひとつの事実息をこらし 買い控え暮らしの穴に眼を据えて 客車にビラ貼り廻し間引き馴らしてく 攻防の決着シラけ読まされる 舞台裏ものの見方がゆがめられ ときに愛想笑いの生きざまの逞しく 世渡りの掌のうら見せずうなずくか 誰ででもないという自分いまぞ見廻し 世間の鬼に取りまかれせりふのひとつも かかる道草酔いの底見えてもいい