四月

   よだれかけ遍路の連れをあきらめる


   何処からも掛け取りは来ずよだれかけ


   よだれかけ銭が物言うそれも小さし


   何となく縁は異なものよだれかけ


   よだれかけ朱さ執念まだ消えで


   なにも今更よだれかけあがらわず


   よだれかけ足下すずめに気を置いて


   言い切ったかおよだれかけ見ておわす


   よだれかけ米一粒の器量よし


   替えてやるよだれかけさて名も言わず