二月

△号数だけは三八三号だが、ページの方はどうも薄っぺらで、背文字はとても入りそうもない。そこへ行くと「川柳さっぽろ」「川柳番傘」「川柳ふぁうすと」「川柳塔」など堂々たるものだ。これらに匹敵するページを持つ僚誌もあるが、やはり厚さを考えて背文字はのぞましいと思う。あのくらいになればなあと、羨望の眼で見ているひとりでもあるのだ。
△みんな稼ぎを持ちながら、この道にいそしんで毎月川柳雑誌を発行している熱心と努力に敬意を表し、自分もそのなかに加えられるのかと、実は他を顧みて恥ずかしい。ほんとうに一生懸命やっているのか、意気地なしみたいに貧弱だなあ、でもそうも言えないぞ、お前のところに寄稿しておられる方々の研究と創作の意欲におもねってばかりいるのではないか知らみんなにオンブしているのか、この人達のことを思えばお前のいい加減さに腹が立つと、こころのどこかで私を責めてくる。
△兎角遅刊がちな小説を忘れずに交換誌としていち早く送って下さるご厚意はありがたい。宛名は一々書かないで、宛名印刷の方法できちんと住所書きが出来ているのもある。君んとこは遅いな、何をしているんだ、そんなことは少しも言わないで、快く送って下さっている。本当にありがたいと思う。長い間のおつきあいに感謝する。
△なかにはこちらから送本しているが、交換してくれない僚誌もある。どうしたわけか、今度送るところが変ったからとお知らせを受ける。おかしいな、こちらだけ送らせるつもりか、いやきっと発行所と交換誌入所との練絡がとれないで送って来ないのだろう、いまにきっと来るさ、そんな風に自分をおちつかせている。
△交換誌として送られた雑誌が随分たまった。家を建て変えるとき一時のがれに預けておき、家が建たったらまた持ってこようと計画したらよかったのに、諒解を得て松本図書館に全部寄贈した。さっぱりしたつもりだったが惜しい気持もあった。しかし一冊でも廃品として払い下げたことはなかっただけに気が安まる。図書館で大切にして下さるから、たまには久潤を叙しにみんなの顔を見たい。