十二月

   ゆっくりと歩く北風馴染ませて


   何か不足な言葉尻捉えたり


   敗れ去るいさぎよさ陽を浴びながら


   思案した顔で雪道つづくなり


   意気揚がるまさしく雪は頬を打ち


   もろく潰えて人の死に触れたばかり


   一片の雲のゆくえと知って佇ち


   まっとうな話黙って従いてゆく


   ややおちつきを取り戻し歩を早め


   大言壮語のあとをにごさずに