九月

   老いの夢をたぐり始めてやや疲れ


   善き計らいの落着は地べたなり


   裁判を憎むうしろに気がついて


   読みの浅さをたしかめていた蒲団


   大人の智恵が出てしまいあじけなや


   ぽっかり浮ぶ雲誰か見ている


   老いの果てを憎しともせずさからわず


   求め合いながら静かな齢に乗ってる


   いちまいのカードひらひら息付くか


   ふかぶかと頭を垂れて短か日や