八月

   いらだちのこなごなならず寝に収め


   SLの徽章難なく煙を浴び


   狂わしき世の隅に芽生えた姿


   一心に咲きたい花を羨やむ気


   自らをためそうと生きて来た証し


   傷だらけのかなしみを誰にもやらぬ


   たかぶりをおさえた演技でもいい


   まっすぐな道だったという思いをこめ


   みな従いて来てくれた憩いは遠いね


   嘘の美しさ黙って振り向いて